AWSグループの藤岡(@fuji_kol_ry)です。
先日開催されたre:Invent 2024 で、数多くの生成AIや機械学習サービスが発表されました。あまりに数多くの発表があって、キャッチアップもなかなか大変です。 そういった中で必要不可欠なことは、AI/MLの基本的な知識と思います。
そこで私は、最も効率的に基礎知識を習得するためのアプローチの1つが資格取得にあると考え、先月11月に一気にAWSの機械学習系の資格3つ(AWS Certified AI Practitioner、AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate、AWS Certified Machine Learning – Specialty)を取得しました。
そこでここでは、スケジュールや私自身が使用した教材の紹介や、あえて3資格をまとめて勉強して良かった点についてシェアさせていただきます。
スケジュール
大まかに以下のようなスケジュールを最初に立てて、そこから変えずに進めました。 Associateを最後に持ってきたのには深い理由はありません。(単に後からベータ版から本試験へ移行されたことに乗じて後回しにしました)
週 | 学習内容 |
---|---|
1週目 | サンプル問題を解く、AI・データサイエンス系の基礎学習 |
2週目 | Bedrockを触る、BlackBeltやドキュメントを読む |
3週目 | サンプル問題を解く、BlackBeltやドキュメントを読む、AI Practitioner受験、ML Specialty受験 |
4週目 | 弱点と思った箇所を深掘りして学習する、ML Associate受験 |
ただ結果的に言うと、AI PractitionerとML Specialtyを受けた後に、ML Associateタイミングで受けることが正解と個人的には思いました。
これは、ML Associateが両者の中間的なレベル・出題範囲になっていることが、大きなポイントです。
AI Practitionerでは、Bedrockを中心に生成AI分野が数多く扱われる一方で、ML Specialtyでは、SageMakerや各種機械学習サービス、一般的な統計知識を中心に扱われます。 両者は分野がある程度偏っているので、あるサービスや分野について学習すると、それがスコア向上に対して直結しやすいです。
一方でML Associateは出題範囲が広いため、ある特定の範囲を勉強したとしても、スコアへの効果が相対的に小さくなると考えられます。
したがって、(結果に対する後付けな考察感も否めないですが、)3つ一気に受ける、かつML Associateを最後に受験するの、オススメです!
使った教材・学習方法
スケジュールに対応して、使った教材をご紹介します
▼サンプル問題を解く(おすすめ度:★★★★★)
各試験で、どんなサービスが出るか、どのレベルが問われるかを最初に把握しておくために、個人的MUST教材でした。Skill builderで無料で20問トライできます。(日本語教材が無い場合もありますが、ブラウザ翻訳で問題なく読むことができました。)
また、試験前に再度解き直して、理解度確認にも使いました。
AI Practitioner Self-paced digital training on AWS - AWS Skill Builder
ML Associate Self-paced digital training on AWS - AWS Skill Builder
ML Specialty Self-paced digital training on AWS - AWS Skill Builder
▼AI・データサイエンス系の基礎学習(おすすめ度:★★)
ここは各人の下地によってどれだけ勉強すると良いか大きく差が出るので、一概におすすめしにくいです。
私は過去に統計解析や機械学習案件に携わっていた経験もあったため、Youtubeで「データサイエンス おすすめ」などと検索して、動画を見ながら過去学んだことを復習する形で済みました。 G検定の教材やUdemyなどを活用するのもアリかと思います。
▼Bedrockを触る(おすすめ度:★★★★)
ハンズオン教材が巷に溢れているので、簡単に試すことができます。あれこれ資料を読むよりもひとまず触ってみる方が、習得効率が高いと思います。 私は以下ワークショップをやってみましたが、この教材でなくても良いかもしれません。
catalog.us-east-1.prod.workshops.aws
▼BlackBeltやドキュメントを読む(おすすめ度:★★★)
サンプル問題を解いて理解不足があったサービスについて、BlackBeltやドキュメント、Skill builderで調べて読んでみましょう。
個人的には以下のBlackBeltの動画が特に良かったです。
単にMonitor機能を学習できるだけでなく、機械学習プロジェクトをどうやって継続運用すれば良いか?という観点を教えてくれます。この動画を見つつ、分からなかったことを更に調べていくうちに、気づいたらかなりの範囲が網羅できていました。
www.youtube.com
Bedrockについては、Skill builderで以下を受けました。(ただやはり、SageMakerと比較してBedrockは手軽に試せるので、触ってみるに限ります。)
Self-paced digital training on AWS - AWS Skill Builder
▼弱点と思った箇所を深掘りして学習する(おすすめ度:★★★★)
主にML Associateを最後に受けることを念頭においた学習になります。そのため、事前に受けた2資格それぞれで、どの分野で自信を持って解くことができなかったか、ある程度自己分析をしておきましょう。
また、深掘りして学習する際に、個人的に非常におすすめな方法が、学習したいサービスに対して、ある問いを立て、それについて調べながら、数珠繋ぎ的に疑問を解消していく、というアプローチです。
(個人的には、試験問題を解くのではどうしても身につかない/覚えられなかったことと、最近ではAIサービスと気軽に会話できるようになったので、この学習方法に落ち着きました。)
例えば、「SageMaker Pipelinesって、Step Functionsでも良くないか?それぞれどう使い分けると良いのか?」と問いを立てます。 そうすると、数珠繋ぎで、エンドポイントやリポジトリについても興味が湧いてきて、更なる問いが立ちます。
上記のようなやり方で個人的にはとても捗ったので、参考までに紹介させていただきました。
まとめ
AI/ML資格取得のために私が取り組んだ、スケジュールや教材、学習方法について紹介いたしました。
自分の取り組みを振り返ると、3資格を一気に勉強・受験したからこそ、機械学習や統計、生成AIを幅広く学び、各分野の知識が相互的に理解を深めたと思いました。
押し寄せるたくさんの生成AIサービスのキャッチアップするための1つのアプローチとして、AI/ML資格取得を活用してみてはいかがでしょうか。