こんにちは、フォージビジョンの今田です。 今月5月13日(水)から15日(金)に、ODEX|デジタル化・DX推進展(東京ビッグサイトの西ホール)で開催されました。
昨今、AI技術の進化やDX推進の波が目まぐるしいですが、ネット上の情報だけでなく、実際の現場の熱量や最新トレンドを直接肌で感じ、 社内外の皆さまに有益な情報として還元したいという思いから、今回から来場者として参加した展示会のレポートとして、アウトプットします。
ODEXに足を運んでみて、エンジニアや情シス担当者だけでなく、営業や人事など幅広いビジネスパーソンにこそ知ってほしい『大きな波』を感じ、 会場全体としても非常に活気のある印象を持ちました。


各ブースでは社員の方が自社ロゴの入ったトートバッグやグミなどを配布しているブースがあり、興味を持った見学者が足を止めるとサービス説明をしていただけました。



一見すると各社の最新ツールのお披露目会のようにも見えますが、各ブースのサービスを深く見ていくと、ある共通の大きな変化が起きていることに気づきました。
いわば“ツール導入の時代”から“業務そのものをどう再設計するか”が問われる時代への移行です。
ここからは現地での体験をもとに、特に印象に残ったDX・AI領域のトレンドを5つに整理して紹介します。
ODEXから見えた「DXとAIの本当の現在地」
今回の展示全体を通して感じたのは、DXが単なる効率化の手段ではなく、業務設計そのものに関わるテーマへと広がっているという点でした。 単なる「最新ツールの紹介イベント」ではなく、企業のデジタル化が次の段階に移行しつつある兆しが見られます。
その中でも特に象徴的だった変化を5つにまとめます。
その①AIは「使うもの」から「業務の中に溶け込む存在」へ
かつてAIは、分析や研究など特定用途のための技術として語られることが多いものでした。しかし今回の展示では、AIは“単体の機能”としてではなく、 各種サービスの中に自然に組み込まれているケースが目立ちました。
例えば、営業では商談内容の自動要約、経理では領収書の自動読み取り、法務では契約書のリスクチェックなど、業務フローの中にAIが前提として組み込まれている印象です。 AIそのものを導入するというよりも、「どこにどう埋め込むか」が重要になってきているように感じました。
この流れの背景と今後の方向性は以下の通りです。
背景
・AI技術の一般化
・企業側の「何に使うか」から「どこに埋め込むか」への関心変化
方向性
・AIを売る企業 → AIを組み込んだ業務SaaSへ
・AIの性能差より“業務データとの相性”が重要に
結果として、AIはもはや“特別な機能”ではなく、業務効率化を図るうえで標準機能、すなわち業務インフラの一部になりつつある印象でした。
その②紙・手書き・非定型データのデジタル化が現実的な領域に
これまでデジタル化が難しいとされてきた領域にも、大きな変化が見られました。 手書きメモ、図面、注文書、領収書など、従来は人の判断が前提だった業務領域においても、AIやOCR技術の進化により処理の自動化が進んでいます。
特に「単なる文字認識」ではなく、生成AIの登場などによって「内容の意味を理解し、構造化する」という方向に進化している点が印象的で、 精度の問題やフォーマット依存といった課題から、完全デジタル化はもう少し先の未来だと感じていましたが、それが今や現実味を帯びてきています。
背景
・日本企業に残る紙文化の根強さ
・従来のOCRの限界(フォーマット依存や精度、柔軟性の限界)
方向性
・単純な読み取り → “理解して構造化するAI”へ
・データ入力業務そのものが大幅に削減され、その役割が大きく変わっていく可能性
これは単なる効率化ではなく、「事務作業そのものの再定義」と言えます。
その③人材管理は「評価」から「活用・配置」へ
人事領域でも、従来の“管理中心”から“活用中心”への変化が進んでいるように見えました。これまでの人事システムは、勤怠管理や評価などの記録・管理が主な役割でした。
一方で現在は、社員のスキル・経験・ナレッジといった暗黙知までもデータ化し、「誰をどこに配置すべきか」「どのように活かすべきか」を支援する方向へと進化しています。
背景
・慢性的な人材不足
・高齢化や技術継承問題の深刻化
方向性
・人事システムから人材データプラットフォームへ
・「採用」よりも「社内活用・最適配置」が主戦場に
つまり企業の競争力は社員個人のスキル・技術を育てつつ、そのスキルセットをデータとして“どう活かすか”も求められる時代に入ってきています。
その④SaaSの乱立を支える「統合レイヤー」の重要性
企業では多くのSaaSが導入される一方で、「データが分断されて活用できない」という課題も顕在化しています。 サイロ化されたデータが活用されないまま、課題として今もなお残っているのが現状です。
今回の展示では、この課題を解決するためのすべての業務データをつなぎ直す「統合基盤」や「データ連携」に関するソリューションが多く見られました。 代表的なものとしては、データ統合基盤、ID管理・認証統合、経営ダッシュボードなどです。
背景
・SaaS導入の加速・乱立によるデータ分断(サイロ化)
・Excel依存の残存
方向性
・個別ツールの導入から「全体統合」へ
・「何を使うか」より「どうつなぐか」が重要に
これは統合基盤の再編とも言える流れです。部分的に便利な機能を導入するだけにとどまらず、ビジネスの土台、基盤そのものを更新・改良する動きが確認できました。
その⑤営業・マーケティングは「属人性」から「再現性」へ
営業やマーケティングの領域でも変化が進んでいます。優秀なベテラン営業担当の経験や勘に依存する部分が大きかった領域ですが、 現在はデータを活用して成果を再現する方向にシフトしつつあります。
具体的には、顧客データ・商談履歴・行動履歴をもとに、成果を再現できる仕組みづくりが進んでいます。 AIが商談内容を自動で要約したり、次のアクションを提示するなど、「売れる人の行動を仕組み化・再現する」という取り組みが現実的なものになってきている印象でした。
背景
・営業人材不足
・データ活用環境の整備
方向性
・属人営業からデータ営業へ
・“売れる人の再現”が可能な時代へ
経験や知識が支えていた業務のメソッドや構造が分析され、目指すべき目標や段取りがAIによって明らかになりつつあります。
まとめ:DXは「導入」から「再設計」へ
今回の展示会を通して最も強く感じたのは、DXの意味そのものが少しずつ変化しているという点でした。
以前:ツールを導入して効率化する
現在:業務そのものをAIとデータで再設計する
データをオンプレミスからクラウドへ移動することや、便利なツールの導入、定型業務の自動化。これらも間違いなくDXの重要な第一歩です。 しかし今はそこからさらに一歩進み、AIを取り入れて業務の在り方そのものを見つめ直す『構造改革』のフェーズに進みつつあるのだと、今回の展示会から学ばせてもらいました。
今回の展示会では、特に以下の3つの要素が多くの領域に共通していました。
・AIの標準化
・データの統合
・業務の自動化
これらは特定の業界に限らず、すべての企業が直面する共通のテーマになりつつあると感じます。
今後もこうした変化のスピードはさらに加速していくと思われるため、自分自身も業務への向き合い方を、AIを利活用しつつ効率的に再設計していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。