こんにちは。AWSグループ エンジニアの大澤です。
皆さんは、AWS Wickrをご存知でしょうか?
今回は、AWS Wickrのプレミアム機能を無料で試せるようになるというアップデートがございましたので、基本機能も合わせてご紹介します。
アップデート概要
AWS Wickrは、無料のトライアルエクスペリエンスを強化したことを発表しているため、スタンダードプランとプレミアムプランで利用可能な機能を最大3か月間無料で試すことができます。
Wickrネットワークを作成または管理する場合のオプションとして、無料試用版を利用できます。
Wickrの課金体系として、スタンダードとプレミアムの2つがありそれぞれユーザ毎に料金が発生します。
今回のアップデートでは、ファイル添付時・ストレージの最大容量等に一部制限があるものの、プレミアムプランで提供される機能も含めて3ヶ月無料トライアルができるとのことです。
導入を検討されている方・組織にとっては、事前に仕様確認ができるので大きなメリットとなります。
変更点について
AWSコンソール上で、当該箇所を確認してみました。
下記の画像の通り、Wickrネットワークを作成する際の画面において、「3month free trial」という表記があることを確認できました。
Premiumを選択すると、Standardプランの機能に加えてプレミアム機能も利用できるようになります。
AWS Wickrとは
AWS Wickrは、組織や政府機関向けに、メッセージ・音声やビデオ通話・ファイル共有・画面共有を暗号化の上、安全に通信できるようにするサービスです。
強固な暗号化を施した、チームコラボレーションツールという位置づけです。
Wickrで扱われる情報は、保存・監査目的で、利用者が管理するデータストアに記録することが可能で、権限の設定、エフェメラルメッセージングオプションの設定、セキュリティグループの定義などを管理することができます。
主な特徴
セキュリティーとプライバシーの強化
256 ビットの Advanced Encryption Standard (AES) end-to-end 暗号化を使用しており、送信者と受信者以外への転送中は解読できません。
データ保持
機密情報の保護・コンプライアンス対策 (米国連邦記録法、SEC ルール 17a-4、サーベンスオクスリー法、および米国情報公開法などへの準拠)・監査といった目的に対してデータを保持するように設計されています。
柔軟なアクセス
マルチデバイス (モバイル、デスクトップ)対応と、切断等の低帯域幅環境でも機能するように設計されています。
管理コントロール
権限設定・セキュリティグループの設定などの管理が可能です。
強力なインテグレーションとボット
アクティブディレクトリ(AD)・OpenID Connect(OIDC) によるシングルサインオン(SSO)との連携が可能です。
主な機能
1 対 1 メッセージとグループメッセージング
最大500名のユーザがいるルームにおいて、安全な環境でチャットが可能です
音声通話とビデオ通話
最大70名で会議が開催可能です
画面共有とブロードキャスト
最大500名 の参加者が参加可能です。
ファイル共有と保存
最大5GB までのファイルを転送可能です。ストレージ自体の容量は無制限です。
エフェメラルオプション
有効期限タイマーを設定して、送信されたメッセージとファイルを一定時間後 (1 分から 365 日までの任意の時間) に破棄します。
Burn-on-Read (BOR) タイマーでは、受信者がメッセージを読んだ時点でそのメッセージを自動的に削除する事が可能です。
外部フェデレーション
暗号化と管理コントロールは、ユーザーアカウント、セキュリティ設定、および情報ガバナンスポリシーについて安全にコラレーションできるようにメンバー招待をすることが可能です。
また、AWS Wickr ネットワークを作成・フェデレーションルールを定義の上、各ネットワーク内でユーザーグループの割り当てが可能です。
これにより、特定のお客様、ベンダー、パートナー、および他の企業や子会社に制限することもできます。
利用可能リージョン
下記のAWSリージョンで利用が可能です。
- 米国東部 (バージニア北部)
- GovCloud (米国西部)
- カナダ (中部)
- 欧州 (ロンドン)
- アジアパシフィック (シドニー)
- 欧州 (フランクフルト)
利用プラン (概要)
- 無料トライアル
ユーザーが最大 30 名のチーム向けとなり、3ヶ月間利用可能です。
- スタンダード
小規模および大規模な組織向けとなり、ユーザ数に制限はありません。
- プレミアム
細かい管理機能・データ保持を必要とする組織向けとなります。
詳しい料金体系については、下記のサイトをご覧ください。
まとめ
今回は、AWS Wickrのアップデートとサービスの仕様や特徴についてご紹介いたしました。
機密情報の保護・コンプライアンス対策・監査などを考慮し、安全な環境でチームコラボレーションツールの利用が実現できるサービスとなります。
なお、本サービスは、東京リージョンでは現時点で利用できず、利用可能なAWSリージョンが少ないという印象を受けました。
今後利用できるリージョンが拡大される可能性もありますので、この機会にぜひAWS Wickrをお試しいただければと思います。