こんにちは、AWS グループの尾谷です。
昨日は、九段下で re:Invent 報告会を開催させていただきました。
平日のお忙しい中、多くの方に参加いただき、大変ありがとうございました。
本ブログでは、尾谷が報告会でお話しさせていただいた、AWS の新 CEO である Matt さんの紹介と、re:Invent の キーノートで語られたテーマをご紹介したいと思います。
AWS の新 CEO「Matt Garman さん」について
Matt Garman (AWS CEO)
https://www.linkedin.com/in/mattgarman/
Matt さんは 2005 年に AWS にインターンとして入社し、AWS 設立時からの成長を見守ってきた生え抜きのリーダーです。
AWS が生まれて、Amazon に育まれながら成長してきた過程を把握されています。
Matt さんのキーノートでは、4 つのメッセージが語られました。
また、4 つのカテゴリーに沿って講演が進行していきました。
re:Invent キーノートの 4 つの重要メッセージ
- 「We invent, so you can reinvent.」
AWSが基盤技術を開発することで、お客様は革新的なサービス開発に専念できる - 「We work backwards from the customer.」
顧客フィードバックを最重視した開発プロセス - 「Building Blocks」
AWS のサービスを組み合わせた柔軟なソリューション構築 - 「Everything starts with security.」
セキュリティを最優先とする具体的な取り組み
一つ目は、冒頭のムービーから、最後の締めまで使われたテーマです。
「AWS がサービスを開発します。なので、お客様は再開発、AWS のサービスを用いたサービス開発に集中していただけます。」
といったメッセージが含まれていたと思います。
二つ目は、We が AWS に当たりますが「AWS は、常にお客様のフィードバックをベースに開発してきました。」という説明がありました。
三つ目のビルディングブロックは、AWS の数百ものサービスを組み合わせてサービスを作る際に、レゴのように、ブロックを組み合わせることで魅力的なものが提供できる。という説明がありました。
最後は「Security is our top priority.」というキーワードでもよく語られますが「AWS では、何よりもセキュリティが最優先される。」というメッセージです。
これは、re:Inforce で繰り返し聞いてきたキーワードですが、AWS はセキュリティへの投資が半端ないという、一つの特徴を捉えたメッセージだと感じます。
どのキーワードも初めて聞くものではなく、過去何度も語られてきたテーマでした。
さらに補足すると、Dr. Werner のキーノートでも ツー・ピッツァチーム という、Amazon が昔から徹底してきたポリシーが改めて語られ、さらに前を向いて進んでいくといった心構えを感じるキーノートでした。
re:Invent キーノートで語られた 4 つのカテゴリー
Matt さんの Keynote は 4 つのカテゴリーで話が進みました。
- Compute (コンピューティング)
Graviton / NITRO / Tranium / Inferensia など - Storage (ストレージ)
Amazon S3 テーブル、Amazon S3 メタデータ など - Database (データベース)
Amazon Aurora DSQL / Zero-ETL など - Inference (推論)
Amazon Q / Amazon Bedrock など
一昔前だと 4 つのカテゴリーは、Compute / Storage / Database と、最後は、Analytics だったかも知れませんが、昨今の AI 人気から Inference (推論) が追加されました。
Inference に関して、少し掘り下げてご紹介したいと思います。
Inference
Inference のカテゴリーは、キーノート全体で最も多く時間を割いて説明されていきました。
また、事例紹介には Amazon の CEO である Andy Jassy さんがゲスト登壇されました。
Andy さんは、Amazon Nova や、Rufus の紹介などをされました。
Inference のカテゴリーで、僕は、以下のスライドが特に印象に残っております。
- 現代の開発者は、コーディングに平均 1 日 1 時間しか時間を割けない
- 時間を奪うタスクがたくさんある
- みんな、コーディングは好きだが、ドキュメントは書きたくない
おっしゃる通りだと感じましたし、この課題に絡めて Amazon Q が ユニットテストと、ドキュメント作成 と、コードレビュー を支援してくれる機能が追加されたと発表がされたタイミングで、会場がひときわ大きく湧きました。
また、その直後に発表された GitLab DUO with Amazon Q も非常に魅力的な新機能に感じました。
re:Invent キーノート (オンデマンド)
AWS re:Invent 2024 - CEO キーノートは、re:Invent のサイトでオンデマンド公開されています。
オープニングムービーには、Amazon Web Services の昔のロゴをモチーフとした、立方体が用いられています。
胎児の脈動を彷彿とさせる効果音と壮大な BGM から、レーザーによって正方形が描かれ、立方体になっていきます。
Matt さんの生い立ちを把握した上で、キーノートを観ると受け止め方も変わるかも知れません。
ご興味をお持ちになられた方は、是非ご覧ください。
今年の re:Invent の満足感
現地で、お会いしたエンジニアの方たちと何人かキーノートの話をしましたが、総じて評価が高かったです。
Keynote の良さは、re:Invent 全体の体験や満足度に関わる大きな要因の一つだと思います。
個人的にも、今回のキーノートは非常に満足度が高かったです。
その満足度には、AWS を近くに感じることができたことと、キーノートに温故知新を感じられたからかだと考えています。
エンジニアに寄り添ったメッセージ
キーノートの冒頭に、Matt さんから「AWS はスタートアップを応援している。」といったメッセージを発表されたり、AWS HERO の活動や貢献に対して、感謝のメッセージを送られるシーンがありました。
画面にも HERO の集合写真が投影され、弊社の山口も Matt さんと共演することができました。
それ以外にも、キーノートの途中、Compute サービスのカテゴリーにて Matt さんが嬉しそうに
「自分の今の立場でこんなことを発言するのは問題かも知れないが、でも、EC2 が大好きです。」
と発言されたときに、現地では、アメリカン・コメディのような優しい笑い声が会場に拡がりました。
こうした、AWS の CEO がエンジニアに共感するようなメッセージを多く伝えたことや、共感が一体感につながり、結果、視聴者の満足度を上げたのではないかと感じます。
温故知新
重複しますが、今回のキーノートでは、Amazon が昔から徹底してきたポリシーが改めて語られ、さらに前を向いて進んでいくといった心構えを感じるキーノートでした。
Aurora DSQL など 10 周年を飾るに相応しいアップデートもありました。
今から 10 年前の 2014 年に開催された Keynote では、AWS Lambda や、Aurora といった、AWS のコアとなるサービスが、たくさんリリースされました。
そのため、今年 10 周年を迎えるものが多数あります。
もし、お時間あれば、2014 年のムービーが YouTube で公開されていますので、年末年始の時間が取れるタイミングで、ご覧になってはいかがでしょうか。
参加者、視聴者と AWS の距離が近くて、ワクワクします。
今年のキーノートは、このワクワクを感じられる素晴らしいキーノートだったと思います。
まとめ
以上、Matt Garman の re:Invent 2024 キーノートを観て感じたことをつらつらと記載しました。
個人的な見解も多くありますが、是非、キーノートをご覧いただき、共感いただけると幸いです。
最後になりますが、来年、2025/01/15 に大阪でも報告会を開催します。
新大阪でやりますので、是非、ご参加ください!