こんにちは。プラットフォームビジネス事業部の今田です。
当事業部ではMicrosoft Azureとパッケージングできるサービスをかねてより検討しておりました。
今回は、NetApp社の「Cloud Data Services」について評価させて頂きます。
「Cloud Data Services」の概要
「Cloud Data Services」は、AWS、Azure、GCPなどのパブリッククラウドまたはオンプレミス環境に構築できるクラウドベースのポータル「Cloud Central」からアクセスして利用できるクラウドソリューションです。
カテゴリごとに区分されておりそれぞれの用途に応じたサービスを選択して利用できます。
・クラウドストレージ
・データサービス
・クラウド管理
・クラウド分析
全部で14のサービスがありますが、いずれもこの4つのカテゴリに属しています。
幾つかサービスを例に挙げますと『Cloud Volumes ONTAP』はクラウドストレージのカテゴリにあるクラウドストレージサービスで、導入に必要となる『Cloud Manager』はクラウド管理のカテゴリ内にあるサービスとなります。
このようにわかりやすく分類されているため初見の方でも求める用途に応じたサービスを選ぶことができます。
今回は、クラウドストレージ、データサービス、クラウド管理、クラウド分析のカテゴリから1つずつ評価致しました。
評価したサービスの概要
評価したサービスの概要について簡単に説明させて頂きます。
Cloud Volumes ONTAP
- 概要:AWS、Azure、GCPなどのパブリッククラウド上で動作するストレージサービス。
運用の効率化、高可用性を提供する。
Cloud Sync
- 概要:AWS、Azure、GCPなどのパブリッククラウドまたはオンプレミス環境を対象とするデータ
同期サービス。NetAppデータブローカーを介して指定した2つの対象間でデータを同期する。
Cloud Manager
- 概要:AWS、Azure、GCPなどのパブリッククラウドまたはオンプレミス環境上にデプロイする管理
サービスで、プロビジョニングやデータ管理などを行うサービス。
『Cloud Volumes ONTAP』ではストレージの制御を、『Cloud Sync』では同期関係の構築 する。
Cloud Insights
- 概要:AWS、Azure、GCPなどのパブリッククラウドまたはオンプレミス環境からデータを取得して
モニタリング・監視を行うサービス。
データを取得できる対象はApacheやHadoopなどのサービスからCiscoやDELL、IBMインフ
ラストラクチャなど多岐にわたる。
環境構成
続いて環境について記載致します。
Cloud Centralから『Cloud Manager』をMicrosoft Azure上にデプロイ。
『Cloud Manager』から指示される導入ステップに沿って手順を進め、同じくMicrosoft Azure上に『Cloud Volumes ONTAP』システムを作成。
『Cloud Sync』は、Microsoft Azureの提供するサービスAzure Blobを対象としてコンテナ内のデータ同期を実行。
『Cloud Insights』は、オンプレミス環境に導入してMicrosoft Azureを監視対象に選びデータを取得。
参考構成図
Cloud Volumes ONTAP、Cloud Manager、Clopud SyncはAzure上で動作します。
評価結果
この項目ではサービスがどんなことができるのか、どのように機能するのかを評価した結果をお伝えさせて頂きます。
Cloud Volumes ONTAPについての評価
まずCloud Volumes ONTAPについての評価です。
Cloud Volumes ONTAPは主に記憶領域であるボリュームの作成と複製、バックアップ作成とバックアップからのデータ復元、2つのボリューム間でのミラーリングなどの基本的な機能を評価しました。
評価した機能、結果は下記の図にまとめました。
上記の正常動作は全て確認致しました。
Cloud Syncについての評価
Cloud Syncは主に同期関係の作成と手動での同期実行とスケジュール設定での同期実行、同期関係の削除などの基本的な機能を評価しました。
評価した機能、結果は下記の図にまとめました。
上記の正常動作は全て確認致しました。
Cloud Insightsについての評価
Cloud Insightsではデータ取得結果の確認と取得したデータの表示形式の変更、クエリによるソートやパフォーマンスポリシー設定によるアラートの確認など基本的な機能を評価する予定でした。
※現在ダッシュボード上でパフォーマンスの値が正常に取得できないため原因を調査中です。3月上旬を目途に調査結果を記載致します。
最後に
NetApp社はストレージ分野に極めて強い力を持っていましたが、近年ではクラウド分野にも注力しています。
NetApp社はデジタル変革(DX)を後押するデータファブリック(アーキテクチャと一連のサービス提供によるクラウド/オンプレミス環境を問わない一貫した機能提供)というビジョンを掲げています。
今回は、そのNetApp社が提供する「Cloud Data Services」から4つを大まかに確認しましたがまだ確認したい内容は残っています。一つ目は『Cloud Backup Service』のデータ保存機能を確認。
二つ目は『Cloud Volumes ONTAP』の可用性を確認するためにHAクラスタ構成の評価も実施する予定です。
そして次の評価段階としてオンプレミス環境からデータをMicrosoft Azure上にデプロイした『Cloud Volumes ONTAP』に移行するケースを想定したデータ移行の結果を確認したいと思います。