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Amazon QuickSight のアップデート

拝啓、QuickSight さま。

AWS チームの尾谷です。
好きな AWS サービスは、Amazon Connect, QuickSight, AWS Lambda ... など インフラエンジニアですが、サーバーを意識しないで利用できる AWS サービスが好きです。

去る 2022 年 9 月 28 日、AWS パートナーネットワーク (APN) のイベントにて QuickSight のアップデートを LT させていただきました。
内容は重複しますが、QuickSight 愛をブログでも書き留めさせていただきます。

QuickSight とは

みなさん、QuickSight をご存知でしょうか。

公式サイト には以下のようにキャッチコピーがあります。

Amazon QuickSight とはクラウド規模のビジネスインテリジェンス (BI) サービスで、共に仕事をする人たちにわかりやすいインサイトを提供できるサービスです。

少々噛み砕いていきます。

「クラウド規模の」

まず「クラウド規模の」というフレーズですが、これは、QuickSight がさまざまなデータソースに対応しているクラウドネイティブな特徴を表現していると考えます。
本当にさまざまなデータソースに対応して、Snowflake や、GitHub、Twitter にも対応しているのが面白いです。

さまざまなデータソースに対応しています

ビジネスインテリジェンス (BI) サービス

次の、ビジネスインテリジェンス (BI) サービスというフレーズに関しては文字通りで、 QuickSight は多数のビジュアルタイプに対応しています。

僕は 2020 年に QuickSight を使ったツールを開発しておりました。
当時、利用できたビジュアルは 24 種類でした。
あれから 2 年半が経ち、現在は 31 種類が利用できるようになりました。*1

カスタムビジュアルコンテンツを利用して独自の URL の埋め込みにも昨年 (2021年) から対応しています。 YouTube 動画や、サイトを埋め込んだりできます。

2020 年から 2022 年の間に、外観が一変

以下の画像は、2020 年 3 月に取得したスクリーンショットです。
このインターフェイスはこれで、ぽちゃっとしていて可愛らしいのですが、

2020 年 3 月頃に取得していたスクリーンショット

2022 年 9 月現在、すっかりスタイリッシュになりました。

お客様の声を反映したアップデート

これはかなり主観になりますが、フォージビジョンから AWS サポートへ問い合わせをした内容を要約してご紹介します。

QuickSight の 「すべての分析」 や 「すべてのダッシュボード」、「お気に入り」 といった一覧画面で、サムネイルを非表示にする方法はありますか? 検索をかけると一覧表示されるのに、検索をしないデフォルトの画面ではサムネイルが表示されます。弊社は 50 個以上の棒グラフを利用しているので、可視性が低く探すのが困難です。

問い合わせした内容を解説しますと、一昔前の QuickSight 一覧画面は、大きなサムネイルの下部にタイトルが表示されている形で並んでいました。
サムネイルは、ユニークなビジュアルを見つけるときは効果的です。ですが、同じサムネイルが並んでいると意味をなさなくなります。

一昔前の QuickSight の一覧画面は、[サムネイル + タイトル] で並んでいました

以下画像は、当時のイメージを再現したものです。
棒グラフを含む分析が 50 個ぐらいありまして、それぞれの名称も「支店別売り上げ20200401」「支店別売り上げ20200402」みたいなタイトルで、並んでおりました。
まず、パッと見が棒グラフなんです。。若干のグラフ形状は違えど、全て棒グラフなんです。
そして、タイトルも「支店別売り上げ_2020...」あたりで切れてしまい全部が同じに見えました。

全部同じに見えますか?はい、全部同じです

リスト表示する方法はありまして、上部の検索ボックスにキーワードを入力して、ENTER キーを押下すると一覧に並んだのですが、毎回この一手間が不便でした。

AWS サポートからの回答

現時点では一覧画面における表示形式を変更するような機能は提供されておらず、サムネイル形式での表示となっております。お客様のご懸念点は ごもっともである と存じますので、機能要望として製品開発部署へとフィードバックさせていただきました。なお、既にご承知とは存じますが、実現可否や時期につきましては必ずしもお約束できない点、予めご了承ください。

さすが AWS サポート!
一歩間違えると、苦情のように捉えられる問い合わせ連絡に対しても、お客様を立てつつ未来につなげる回答をくださいました。
この問い合わせの後、どうなったか?というと

2022 年 9 月現在、サムネイル表示とリスト表示を切り替えることができるようになっています。
上記の通り、サムネイルの良さも選択肢に残しつつ、リスト表示も切り替えできます。
 
また、並び替えもできるようになりました。
QuickSight の分析はクリックして開いた際に、デフォルトで自動保存が有効になっているため、更新されます。
そのため、最近開いた分析が上部に表示される仕様でした。
よく使う分析は良いのですが、お客様から問い合わせをいただいた際に、すぐに探せない欠点がありました。
分析名で並び替えできるのは画期的だと感じました。
 
そして、少し地味なアップデートに見えるかも知れませんが、サムネイルの左隅に [分析] か [ダッシュボード] か [データセット] なのか、一目で分かるアイコンがつきました。
もうこれは、使っているお客様の声に耳を傾けないと気づけない、非常に気遣いが溢れたアップデートだと思いませんか!?

2022 年のアップデートは 30 以上

AWS の最新情報アーカイブリストを QuickSight に取り込んで BI してみました。
QuickSight は 2016 年 11 月に GA してから、6 年近くなりますが、2022 年のアップデートは特に多く、2022/09/13 時点で 32 ありました。

32 のアップデートの中から、気になったアップデートをご紹介して締めたいと思います。

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Excel のピボットだとワンクリックで利用できる累積 (年累計) が利用できるようになりました。
ケースによっては、埋め込み関数を利用する必要がなくなりました。

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リッチテキストが使えるようになりました。
以下の画像のように太字にしたり、リンクを挿入したりすることもできるようになりました。
BI ツールといいつつ、ビジュアルに個性を出せない部分が多い QuickSight でしたが、一気にデザインの幅が拡がりました。

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これまで、折れ線グラフは 2500 のデータポイント (プロット) が表示できる限界だったのですが、一気に 4 倍になりました。
表示する期間を絞ったり、長期間を表示するときはデータを間引いたり、平均値を取ったりと、工夫が必要でしたが、範囲を拡大して表示できるようになりました。

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直接クエリのコントロール自動更新が有効なった件も非常に強力なアップデートです。

弊社も 2020 年は、インメモリエンジン SPICE を通らない、直接クエリに関しては CloudWatch Events (現在でいう EventBridge ですが) で Cron で Lambda を呼び出して更新する。
といったことをやっていましたが、自動更新できるようになりました。

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QuickSight をエンタープライズで利用しようとすると、権限を分けて部署ごとに見せたいダッシュボードを設定するケースが多いと思います。
グループ機能を使わないとユーザー一人一人に設定が必要で、100 人、200 人といった大人数の設定をハンドで行うのは非効率ですが、QuickSight のグループは GUI が用意されておらず、CLI が必要でした。

この問題に直面した企業様も多かったのではないでしょうか。
直感的に使える QuickSight を採用したのに、グルーピングは CLI を利用しないといけない、というユーザーエクスペリエンスの低下をようやく解消できます。
実際に操作してみましたが、検索ボックスも用意されてかなり使いやすく仕上がっている印象です。

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これも嬉しいアップデートでした。
これまでは一度画面を閉じないといけなかったのが、リロードの手間が省けてタブで切り替えて表示できるようになりました。

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このアップデートはご利用者様にインパクトがあったのではないでしょうか。
サインイン画面が変わり、IAM ユーザーを利用する場合はマネジメントコンソール → QuickSight の順番でアクセスする必要があったのが、QuickSight の画面からリダイレクトできるようになり、スッキリしました。

まとめ

如何でしたでしょうか。
QuickSight は Connect と同様、お客様の目線に合わせたサポートとアップデートが感じられる素晴らしいサービスです。
無料枠がありますので、気になられた方は、是非触ってみてください。

*1:AutoGraph / 主要業務指標 (KPI) / ゲージグラフ / ドーナツグラフ / 円グラフ / 水平棒グラフ / 垂直棒グラフ / 水平積み上げ棒グラフ / 垂直積み上げ棒グラフ /水平積み上げ 100 パーセント棒グラフ / 垂直積み上げ 100 パーセント棒グラフ / ウォーターフォールチャート / 折れ線グラフ / 面グラフ / クラスター棒コンボグラフ / 積み上げ棒コンボグラフ / 積み上げ面折れ線グラフ / ボックスプロット / ピボットテーブル / テーブル / ヒートマップ / ツリーマップ / 散布図 /ヒストグラム / じょうごグラフ / サンキーダイアグラム / 地図上のポイント / Filled Map / インサイト / Word Cloud / カスタムビジュアルコンテンツ