
こんにちは。フォージビジョンの藤川と申します。
2025年8月終わりに、AWSよりAWS Healthイベント通知方法の変更に関する内容の通知がありました。以下は、2025年10月8日時点のAWS公式サイト(https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/health/latest/ug/manage-user-notifications.html)の情報です。

AWS Healthイベント通知方法の変更により、以下の影響が考えられますので、注意が必要です。
- 送信元情報が変更される
- アカウント固有のAWS Healthイベントの通知が受け取れない可能性がある
AWS Healthイベントの通知方法については、従来のEventBridgeを設定する方法とルートユーザーに対して通知される方法に加え、AWS User Notificationsを設定する方法が加わりました。 それぞれの差異を理解し、必要な情報を適切に受け取るようにすることで、より安定したAWSの運用を実現できるかと思います。
このため、それぞれの通知方法による通知内容とAWS User Notificationsの設定内容について記載させていただきたいと思います。
概要
本記事では、
- AWS Healthイベントの通知について
- AWS User Notificationsの設定方法
について、記載させていただきたいと思います。
1. AWS Healthイベントの通知について
1.1 AWS Healthイベントの分類について
AWS Healthイベント通知のイベントは、パブリックイベントとアカウント固有イベントに分類され、それぞれのイベントは以下の通りです。
- パブリックイベント:AWS全体やリージョン単位の大規模障害や変更情報など、お客様のアカウントへの影響の有無に関わらず通知が行われる
- アカウント固有イベント:自身のAWSアカウント、またはアカウント内のリソースで発生した障害や計画メンテナンス、リソースの状態変化などアカウントへの影響がある場合に通知が行われる
ただし、アカウント固有イベントはAWS側で発生事象ごとにメール通知の有無を判断しているようですが、仕組みが完璧ではなく、通知漏れが発生する可能性があるとの情報がありました。
このため、対象のシステムのサービスレベルに応じて、通常はアカウント固有イベントを優先的に確認し、必要に応じてパブリックイベントも参照するというような運用上の工夫が必要かと思います。
1.2 AWS Healthイベントの通知方法
AWS Healthイベントの通知方法については、以下の3つの方法があり、AWS Healthイベント通知分類は以下の通りです。
<AWS Healthイベントの通知方法>
- ルートユーザー(もしくは、代替連絡先)に対して通知されるもの
- EventBridgeを設定して通知する
- AWS User Notificationsを設定して通知する
<AWS Healthイベントの通知方法で取得できるAWS Healthイベントの分類>

上表を踏まえ、従来のEventBridgeを設定する方法とルートユーザーに対して通知される方法については、AWS User Notificationsの機能でカバーすることができます。
2. AWS User Notificationsの設定方法
2.1 AWS User Notificationsの設定方法(事前準備(配信チャネルの設定))
配信チャネルでは、メール、モバイルデバイス、チャットチャネルを通知先として設定できます。ここでは、メールの設定を方法を記載します。
- AWS User Notificationsコンソール(https://us-east-1.console.aws.amazon.com/notifications/home?region=us-east-1#/most-recent)にアクセスします。
- 左ナビゲーションペイン内の[配信チャネル]をクリックします。

- [Eメール]タブにて、[Eメールの追加]ボタンをクリックします。

- 以下の内容を入力し、[Eメールの追加]ボタンをクリックします。
- 受信者: 通知先に指定したいメールアドレスを入力します。
- 名前: 配信チャネル内で通知先を識別するための名前を入力します。

- メール設定が正常に追加されたことを確認します。

- 追加したメールアドレス宛てに検証メールが届いていることを確認し、[Verify email]ボタンをクリックします。

- 「Eメールが検証されました」と表示されたことを確認します。

2.2 AWS User Notificationsの設定方法(AWSマネージド通知サブスクリプション)
2.2.1 AWS User NotificationsのAWSマネージド通知サブスクリプションの概要
AWS User NotificationsのAWSマネージド通知サブスクリプションにつきましては、アカウント固有イベントの通知先を選択することができます。
また、2025年12月15日以降は、AWSマネージド通知はすべてのアカウントに対して有効になり、無効にすることができなくなりますので、注意が必要です。
AWSマネージド通知サブスクリプションでは、以下のカテゴリごとにルートユーザー、代替連絡先、もしくは任意の通知先に通知設定を施すことが可能であり、デフォルト設定は以下の通りです。
<カテゴリ>
- Security:セキュリティに関連するヘルスイベントがメールで送信されます
- Health Operations:運用に影響を与えるヘルスイベントが対象
- Account-Specific Issues:アカウント固有のAWS Healthイベントが対象
- Billing Notification:請求に関連するヘルスイベントが対象
<カテゴリごとのデフォルトの通知先>
代替連絡先については、https://console.aws.amazon.com/billing/home#/account内で、代替連絡先の設定を実施しておく必要があります。

上表を踏まえ、アカウント固有(Account-Specific Issues)のAWS Healthイベントについては、デフォルトでは通知先が設定されておりません。
このため、これまでルートユーザーでアカウント固有のAWS Healthイベントを受け取っていた場合には、AWS Healthイベント通知方法の変更(2025年9月15日)以降、アカウント固有のAWS Healthイベントの通知が受け取れていない可能性がありますので、注意が必要です。
2.2.2 AWSマネージド通知サブスクリプションの設定方法
- AWS User Notificationsコンソール(https://us-east-1.console.aws.amazon.com/notifications/home?region=us-east-1#/most-recent)にアクセスします。
- 左ナビゲーションペイン内の[AWSマネージド通知サブスクリプション]をクリックします。

- 設定したいカテゴリの[サブスクリプションを管理]をクリックします。

アカウント連絡先について、通知が必要な項目を有効化し、[配信チャネルの追加]をクリックします。
- プライマリ:ルートアカウントのメールアドレス
- オペレーション:代替連絡先のオペレーションのメールアドレス
- 請求:代替連絡先の請求のメールアドレス
- セキュリティ:代替連絡先のセキュリティのメールアドレス

以下の内容を入力し、[配信チャネルの追加]をクリックします。
- 受信者:2.1 で設定した配信チャネルを選択します。

- 受信者:2.1 で設定した配信チャネルを選択します。
2.3 AWS User Notificationsの設定方法(通知設定)
2.3.1 AWS User Notificationsの通知設定のポイント
AWS Healthイベントには、プライマリリージョンとバックアップリージョンという考え方があります。
バックアップリージョンは、プライマリリージョンで障害が発生し、EventBridgeが影響を受けた場合の冗長先となるリージョンとなります。
このため、プライマリリージョンとバックアップリージョンを意識することで、耐障害性が向上します。
詳細については、下記のAWS公式サイトをご確認ください。
2.3.2 通知設定の設定方法
- AWS User Notificationsコンソール(https://us-east-1.console.aws.amazon.com/notifications/home?region=us-east-1#/most-recent)にアクセスします。
- 左ナビゲーションペイン内の[通知設定]をクリックします。

- 以下の内容を入力し、[通知設定を作成]をクリックします。
- クイックセットアップ
- サービスを選択:Health
- イベントルール
- リージョン:AWS Healthイベントを受け取りたいリージョンを選択します。
- 配信チャネル:E メール
- 受信者:2.1 で設定した配信チャネルを選択します。
- 通知ハブの選択
- 通知ハブ:任意のリージョンを選択します。

- 通知ハブ:任意のリージョンを選択します。
- クイックセットアップ
- 通知設定が正常に追加されたことを確認します。

最後に
AWS User NotificationsとAWS Healthイベントを組み合わせることで、システムの状態変化をより迅速かつ柔軟に把握できるようになります。
これにより、運用担当者は問題の早期発見と対応を実現し、ビジネスへの影響を最小限に抑えることが可能です。
今後もAWSの新機能を活用しながら、より効率的で信頼性の高い運用体制を築いていきましょう。