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9ヶ月でAWS認定12冠を達成し、2023 Japan AWS All Certifications Engineersに選出していただきました。

こんにちは。絶賛 AWS と LinuC を猛勉強中の藤川です。

少し遅くなってしまいましたが、先日(2023/4/20 - 21)に千葉県の幕張メッセで開催されました、AWS Summit Tokyo 2023に参加させていただきました。

私事で恐縮ですが、以前より取り組んでおりましたAWS認定資格の勉強において、9ヶ月間でAWS認定12冠を達成し、2023 Japan AWS All Certifications Engineersに選出していただきました。

aws.amazon.com

弊社からは、私も含めて5名のエンジニアを選出していただいています。尊敬する大先輩の中に名を連ねることができ、私的には大満足の結果となりました。

forgevision.com

本記事では、

  • 2023 Japan AWS All Certifications Engineersのについての簡単なご説明
  • 取得動機
  • 勉強方法
  • おすすめの取得の順番

についてお伝えできたらと思います。

概要

2023 Japan AWS All Certifications Engineersについて

AWS 公式ページより抜粋させていただきましたので、詳細は下記のリンクより、ご確認いただければと思います。

「Japan AWS All Certifications Engineers」とは、AWS Partner Network (APN) に参加している会社に所属し、 AWS 認定資格を全て保持している AWS エンジニアの皆様を対象にした表彰プログラムです。新しい認定資格が追加され、AWS 認定資格を全て保持する事の難易度は非常に高くなっています。
2023 Japan AWS All Certifications Engineers の発表より抜粋

AWS All Certifications Engineers の人数について

新規サービスの発表等もあり、表彰対象の資格に移り変わりはありますが、表彰者数はここ数年でかなり伸びており、2023年は579名となっています。AWS All Certifications Engineersの希少価値は下がりつつあるようにも感じますが、AWSの知名度上がっている結果とも捉えることができるかと思いますので、嬉しい限りです。

対象の資格について

直近の情報につきましては、AWS 認定のページをご確認いただければと思いますが、2023 Japan AWS All Certifications Engineers の対象資格につきましては、以下となります。

資格取得難易度については、これまでに携わられてきた業務経験にもよるかと思いますが、個人的には、
FOUNDATIONAL < ASSOCIATE < 専門知識 <= プロフェッショナル
と思います。専門知識とプロフェッショナルについては、同等か、プロフェッショナルの方が少し難しいように感じました。

2023 Japan AWS All Certifications Engineers 取得について

取得動機

一言でIT業界といっても業務の幅は広く、昨今ではIT業界の進化はとても早いものとなっております。このような状況の中で、今では違う分野で仕事をしたい、何か新しいことをしたいと思っても、"何から手をつけたら良いか分からない"という人は少なくないのではないかと思います。
私も同じ状況に直面しておりましたが、立ち止まっているよりも何でも良いから、まずは知ることから始めてみて、楽しくなかったらそのときに考えようと開き直り、AWS Certified Cloud Practitioner(CLF)の勉強を始めたのが、AWSと出会った最初のきっかけです。

資格取得の勉強を実施する中で、サービスについての知識を得ることで、会社の中での会話やお客様との会話の内容が容易に理解できるようになったことを実感できたこと、また皆様に私自身のことを説明しやすいツールとして、2023 Japan AWS All Certifications Engineersが欲しいと思うようになり、3月末までにAWS認定12冠を達成することを目標に勉強することを決心しました。

取得履歴

取得前の知識レベル

取得前の知識レベルですが、2022年4月に受験した応用情報技術者試験(AP)に合格した直後に、AWS資格にチャレンジしていきました。当初は、AWSのことについて知りたいという軽い気持ち(2023 Japan AWS All Certifications Engineersなんて全く考えていませんでした。)で勉強を開始しました。

AWS Certified Cloud Practitioner(CLF)取得後

AWS Certified Cloud Practitioner(CLF)取得後に、AWSエンジニアの業務に携わるようになったことで、AWSエンジニアとして従事する以上、プロフェッショナルの資格が欲しいと考え、AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)を目指して、勉強を進めました。

AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)取得後

AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)を取得したことで、AWSエンジニアとして自信がついたこと、そして、身についた知識が希薄になる前にAWS Certified DevOps Engineer – Professional(DOP)を取得したいと思い、2022年内に専門知識を除く6冠(FOUNDATIONAL、ASSOCIATE、プロフェッショナル)取得を目標に勉強を進めました。

AWS Certified DevOps Engineer – Professional(DOP)取得後

2022年内の目標(専門知識を除く6冠(FOUNDATIONAL、ASSOCIATE、プロフェッショナル)取得)を達成できたことでモチベーションも上がり、このときに 2023 Japan AWS All Certifications Engineers という表彰プログラムがあることを知ったことで、3月末までにAWS認定12冠という新たな目標を立て、勉強を進めました。

勉強方法について

私の勉強方法ついて、ご紹介したいと思います。ご自身の勉強方法はあるかと思いますので、ご参考にしていただければと思います。

コンテンツについて

AWS に特化した問題集サイトは複数ありますので、自分に合ったサイトをご活用いただければと思います。選ぶ際のポイントとしては、そのコンテンツが提供している資格のバージョンを確認し、受験を予定しているバージョンと同じかどうかを確認するようにしてください。
AWS資格はサービスの移り変わりに伴い、時折バージョンが更新されており、資格によっては新しいAWSサービスを知らないと歯が立たないといったことがあります。このため、バージョンが異なると、勉強した内容だけでは解けないということにも成りかねませんので、お気をつけいただければと思います。

まずは、試験日を決める

まず何よりも先に試験日を決めてしまうことをお勧めいたします。AWS認定資格においては、AWS独自のサービス名なども多くあることから、覚えることがたくさんあります。最初に覚えたことは点のようにつながりがないように感じられますが、勉強を進めていく内に点と点がつながって線になる瞬間が出てきます。このときにしっかりと知識として定着します。この点と点がつながる瞬間を多くするために短期間で学習していくことをお勧めします。このため、長くても2週間程度の学習期間を目安に計画を立てましょう。

不合格は気にせずにチャレンジする

学習期間を短く設定するとなると、勉強時間が足りず、不合格になることが心配だという声をよく聞きますが、不合格になってしまっても良いと思います。AWS資格でも複数回の不合格を経験していますが、不合格になった試験ほど、よく知識が身についていることを実感しています。不合格になることで、何がダメだったかを認識し、ダメだった部分を補うことができるので、(不合格直後は本当にショックですが、)今では不合格となって良かったと思うほどです。
私の経験上、最後に合格してしまえば、不合格になったことなど誰も気にしませんし、むしろ不合格になった経験が誰かの助けになることがあると思っています。

勉強で工夫したこと

問題集コンテンツ等で、問題を解いていると、分野ごとではなく、ランダムに問題が出題されるため、解説を読んで理解しても、後々、どの分野についての解説だったか混乱してしまうといったケースがあります。
このケースの対処策として、解説をスクリーンショットし、スプレッドシートに貼り付けて、カテゴライズしておき、並び替えることで、分野ごとに解説が読めるようにしていました。
このようにすることで、自分がどの分野に弱いのかが一目瞭然で分かるようになることと、同じ分野の中で内容の差別化もできるようになるので、覚える作業が格段に楽になるかと思います。

モチベーションの継続について

勉強することに一度慣れてしまえば、継続はそれほど難しくありません。
例えば、テレワークを例にしてみると、最初は自宅での勤務はプライベートとの両立が難しく苦痛でしたが、今では「慣れて」しまったので、何とも思いません。むしろ、テレワーク前には普通だった通勤が苦痛に感じるようになりました。これは、通勤が普通ではなくなってしまったからだと思います。
勉強も同じです。毎日勉強することに慣れてしまえば、身体が勝手に慣れてくれるので、何とも思わなくなります。
厄介なのは、慣れるまでの期間です。正直、慣れるまでは苦痛ですが、慣れるまでは継続しましょう。まずは何もせず、机の前に参考書を置いておくだけでも構いません。(これだけでもスマホを触ることに慣れてしまっている人には、スマホを触らないことは苦痛だと思います。)少しずつ、勉強に対する普通を増やしていきましょう。

おすすめの資格取得の順番

全く AWS を知らない人を対象としたおすすめの資格取得の順番をご紹介します。

まずは、AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)の取得を目指す

簡単なものから順に資格取得しても良いかとは思いますが、個人的には、まず、 AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)を取得を目標にして、そのギャップをどう埋めていくかを考えることをお勧めします。理由としては、以下が挙げられます。

  • AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)を取得することで、AWS エンジニアとして活動する上でのアドバンテージとなると考えます。例えば、Global Knowledge が昨年発表した「稼げる IT 資格 Top15」によれば、2022 年で最も稼げる資格は AWS Certified Solutions Architect – Professional (平均年収 168,080 ドル) となっています。
  • AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)は、AWS 資格の中で最も難易度が高い資格だと思います。このため、先に取得しておくことで、他の資格取得の際に「楽」に感じることができるかと思います。
  • AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)は、構築におけるプロフェッショナル試験となっており、AWSの屋台骨といっても過言ではありません。このため、他の試験でも他の試験でもAWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)で勉強したことが活かされるケースが多くあります。

このため、以下の順番が良いのではないかと考えます。

1. AWS Certified Cloud Practitioner(CLF)- チュートリアル

AWS Certified Cloud Practitioner(CLF)は、AWS を浅く広く知るのに良いかと思います。AWS では、AWS 独自のサービス名称が多くありますので、まずは、そのサービス名称と簡単な動きについて覚えるための第一歩として取得されることをお勧めします。ロールプレイングゲームでいうところのチュートリアルと思って挑戦してみてください。

2. AWS Certified Solutions Architect – Associate(SAA)- 中ボス

いきなりAWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)の参考書を読んだり、問題を解いたりしても、内容を理解するのに時間がかかってしまい、なかなか前に進めないという事象が発生してしまうかと思います。例えば、ロールプレイングゲームでも急にラスボスのステージに行っても経験値やレベルが足りず、瞬殺されるかと思います。なので、AWS Certified Solutions Architect – Associate(SAA)は中ボスだと思って挑戦してみてください。
ここでの勉強のポイントは、AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)を取得することを見据えて、勉強することです。AWS Certified Solutions Architect – Associate(SAA)はAWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)と試験範囲はほとんど同じなので、AWS Certified Solutions Architect – Associate(SAA)で勉強する中でしっかりと理解しながら進めることで、AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)の勉強は格段に楽になると思います。

3. AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)- ラスボス

AWS Certified Solutions Architect – Associate(SAA)を取得して、すぐに勉強を始めることをお勧めします。AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)はAWS Certified Solutions Architect – Associate(SAA)の上位互換となっていますので、AWS Certified Solutions Architect – Associate(SAA)の知識が存分に残っている内に勉強を開始することで、理解の速度は劇的に変わってくるかと思います。

AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)の取得後について

AWS認定12冠を目指す方であれば、残り9個となりますが、AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)を取得してしまえば、その後の順番は、実際に携わられている業務に応じて取得される形で良いと思っています。ただ、まとめて勉強した方が良いという資格はありますので、お伝えしたいと思います。

パターン ①

  1. AWS Certified Developer – Associate(DVA)
  2. AWS Certified SysOps Administrator – Associate(SOA)
  3. AWS Certified DevOps Engineer – Professional(DOP)
  4. AWS Certified Security – Specialty(SES)
  5. AWS Certified Database – Specialty(DBS)

少し多くなってしまいましたが、この5つをまとめて取得されることをお勧めします。試験範囲も共通の部分が多々あり、知識が存分に残っている内に勉強を開始することで、勉強時間を大幅に削減できるのではないかと思います。

パターン ②

  1. AWS Certified Machine Learning – Specialty(MLS)
  2. AWS Certified Data Analytics – Specialty(DAS)

他の資格とは異なり、機械学習やデータ分析の業務を経験されたことがない方にとっては、馴染みのない単語が多く出てくることから、難しいと感じる分野かと思います。ただ、まとめるとするならば、試験範囲も共通の部分があることから、まとめて取得された方が、多少は楽に進められるのではないかと思います。

最後に

AWS認定12冠を取得して良かったこと

AWSの会話の内容が理解しやすくなった

取得動機にも記載していますが、AWS認定試験では主要サービスの仕様や構成パターンを理解する必要がありますので、取得前と比較してAWSに関する会話の内容が容易に理解できるようになったことを実感しています。

AWSのサービス更新の内容が理解しやすくなった

AWSの主要サービスを一通り学習したことで、サービスの更新に関しても、ある程度どの部分に変更があったのか、その変更がどう優れているのかを認識できるようになり、資格取得前と比較しても、理解できる情報量が格段に増えたことを実感しています。

AWSサービスの調査力の向上

私の場合、AWS認定試験で不明点があった場合には、AWS公式サイトのドキュメントやYouTubeにアップされているAWS Black Beltを閲覧することで理解を深めていったのですが、このときの調査力(検索力)が身につき、さらにドキュメントのクセなどが分かったことで必要な情報を調べる速さが格段に早くなったと感じています。

チャンス(機会)を貰えるようになった

AWS認定12冠を達成してから、多くの方に私のことを知っていただけたように感じています。その結果、社内の方々とのコミュニケーションを取りやすくなりました。また、AWS認定12冠という肩書きから多くのチャンス(機会)をいただけるようになったと感じています。
チャンス(機会)をいただけることで、さらに私自身の経験値や技術力も向上しますので、キャリア形成の上でも、早めにAWS認定12冠を取得して良かったと感じています。

今後について

私が学習した内容も利用しなければ、過去の遺物と化してしまいます。
AWS認定12冠で得た知識やスキルを活かし、お客様により良いサービスをご提供、ご提案させていただきつつ、更なるサービス向上を目標として、AWS資格はコンプリートしましたが、まだまだ身に付けたい知識はたくさんありますので、自己研鑽に努めて参りたいと思います。

<AWS Summit Tokyo 2023の認定者ラウンジでの戦利品>