みなさん、こんにちは
クラウドインテグレーション事業部の遅れてきたルーキー八木です。
今回は8/19(土)に佐賀駅前のiスクエアビルで開催されたJAWS-UGのコラボイベントに現地参加したレポートをしたいと思います。
本イベントはオンラインと佐賀の現地会場をつなぐハイブリッド開催でしたので、福岡から佐賀なんて散歩の範囲だよねということで、同じく福岡在住の松尾さんと九州自動車道を一走りして佐賀県まで行ってまいりました。
怖くないよ、JAWS-UG -コミュニティの楽しみ方-
- 登壇者:JAWS-UG佐賀 杉山さん
- JAWS-UGは怖くない
- 一般的には「参加している人が怖い?」「やっていることが難しい?」などのイメージを持たれがち
- JAWS-UGの成り立ち
- AWSのエバンジェリストがさまざまな地域で地域支部を立ち上げを支援したことがきっかけとして、そこから細分化した経緯がある
- 主な活動
- 勉強会など
- よくわからない=怖いイメージにつながっている
- JAWSロゴもソフト化してみた
- 気軽に参加する工夫
- 勉強会の中でハードルを下げて参加してみる
- jawsugのタグをつけてつぶやいてみる
- 登壇している人や同じ勉強会に来ている人をSNSでフォローしてみる
- AWS障害情報がいち早く入手できるという利点も!
- 懇親会に参加してみる
- 次回の勉強会で登壇してみる
- 登壇は最大の自己紹介になる
感想
最近、AWS Community Buildersにも選ばれた杉山さんからはJAWS-UGに参加したことがない方に向けたとても優しい気持ちこもったLTでした。わたしは会社でコミュニティ活動をやっている同僚が多かったこともあり参加へのハードルが初めから高くなかったのですが、もしそのような伝手がなければ少し近寄り難かったかもしれないという思います。このLTのような発信がまだコミュニティ活動に参加したことない地方のエンジニアの方に届き、参加者の裾野が拡がっていくとよいですね。
re:Inforce 2023を振り返る! ~AWSとセキュリティ~
- 登壇者:JAWS-UG長崎 林本さん(録画による登壇)
- AWS re:Inforce のジャパンツアーの参加レポート
- Japan Night
- ツアー参加者同士の交流が目的のディナーセッション
- Expo
- AWS パートナー企業が自社のソリューションを展示
- 印象的だったブース
- AWS Audit Acceleration
- 普段公開されていないAWSのデータセンターをVRで見学
- センター内に水のタンクがあって機器の排熱を利用して蒸気をつくるしくみがあった
- Rezonate
- SSOなどをつかって複数の環境にログインする際の権限管理システムを提供
- 過剰な権限を検知してアラートを出すだけでなく、適切なポリシーが自動生成される
- AWS Audit Acceleration
- 参加したセッション
- Executive Security Simulation
- セキュアなクラウド導入のための投資と意思決定のアプローチをゲーム形式で学ぶ
- さまざまな視点から意見を聞くことができた
- 情報セキュリティがさまざまな要素から成り立っていることを理解できた
- Build a Security Posture Leaderboard Using AWS Security Hub
- Security HubとQuickSightを用いて脆弱性の情報やアクセスログを分析
- ジャパンツアー特別講演で「顧客からみたre:Inforce」をテーマに登壇した
- Executive Security Simulation
感想
学生起業家として活動中の中、re:Inforceに現地参加までされたということで、とても行動力と意欲のある方だなという印象をもちました。JAWS-UG長崎の運営としても「長崎といえばあそこでしょ」というような場所でオフラインイベントを企画しているそうなのでそちらも楽しみです!
ネットワーク屋さんだった私が新卒4年目でAWSの案件に携わるようになった話
- 登壇者:株式会社エーピーコミュニケーションズ 金野ゆきの さん
- クラウド案件に参入するきっかけ
- 移住先でインフラエンジニアの仕事が見つからなかった
- クラウド案件自体には元々興味があった
- 苦労したこと
- コミュニケーション
- ちょっとした質問のハードルがあがる
- 顔の知らない人と働く怖さ
- 状況をつぶやくと誰かがアドバイスしてくれる
- 週一の雑談タイムでお互いを知ることで質問しやすくなった
- 扱う技術領域がかわった
- 使用するサービスが多い
- システムが複雑
- コミュニケーション
- 取り組んだこと
- 資格勉強で話がよくわかる
- ハンズオン学習
- よかったこと
- ネットワーク系の知識に比べて、インターネットでの情報リソースが豊富
- AWSサポートがとてもよい
- ネットワーク機器を交換する羽目になるようなこともない
- コミュニティ活動への参加
- 新しい学習方法
- 電車に乗らないでよい
- 地方移住となってもエンジニアができる
感想
自分はIT業界どころか、全く畑ちがいの業界、職種からAWSエンジニアに転職したのですが、同じIT業界内からクラウドエンジニアへ転身するときの気持ちは共通する点が多くとてもわかりみが深いLTでした。クラウドエンジニアという働き方は他の業界、職種と比べるととてもフレキシブルな面があり、そこが大きな魅力です。
「自信なし」からスタートアップCOOへ。諦めずに、キャリアを積み重ねよう
- 登壇者:bgrass株式会社 西岡史恵さん(オンライン登壇)
- IT業界のジェンダーギャップを解消することをミッションとする会社のCOO
- IT業界は体力的な差が影響しないはずの業界にもかかわらず女性エンジニアが少ない
- 女性に何かする自信をつけてもらいたい
- 自信がないときの思考パターン
- 今いる場所に閉じこもりがち
- 見えない誰かに頼っている
- 出産がきっかけで、仕事が好きだから仕事をしている、と子供に言いたいと思ったのが転機
- そこで今の自分のスキルを少しずつ伸ばすようにトライした
- コーチングを学んだ結果、自分が夢中になれるものを見つけられたと感じた
- インポスター症候群
- 理由なく自信をもてずに悩むこと
- 人生のハンドルは自分で握ることが大事
- 女性は男性よりもリスク回避する傾向が高い
- ポジションチャレンジの男女差
- 男性は必要資格を60%満たしていれば応募するが女性は100%満たしてないと応募しない傾向がある
- ポジションチャレンジの男女差
- 計画的偶発性理論
- 人のキャリアは8割が偶然で決まる
- まとめ
- 行動が自信を生む
感想
当社にも女性エンジニアの方はいらっしゃいますが、男性に比べて少ないのが実情です。ITクラウド業界はリモートワークとの親和性が高いので、子育て中の女性が就業しやすい職種ですし、ビジネスに女性の視点が入ること自体にも価値があると考えます。登壇者様の企業が提供するサービスを活用し女性の職業としてクラウドエンジニアが選択肢に入るようになることを望みます。
ちょこっとハンズオンのすすめ
登壇者:クラウド女子会 hamacha88さん(オンライン登壇)
2023 Japan AWS Ambassadors
- 新しいサービスに触れたいが時間が取れない
- CloudFormation サンプルテンプレートを使用してAWSサービスにふれるのがよい
- 構築・削除が容易
- 設定値の変更が容易
- 構築内容がデザイナーでアーキテクチャが可視化される
- サンプルテンプレートをマネジメントコンソールで変更しても手動で設定を変更した箇所はドリフトから確認できる
- CloudFormation サンプルテンプレートを使用してAWSサービスにふれるのがよい
感想
AWS認定資格などで触ったことがないサービスが出題範囲に入っているとき、ハンズオンしてそのサービスに触れることが理解する最良の手段であることはいうまでもありませんが、ハンズオンは座学に比べて時間がかかるのが難点です。日々の業務の合間で資格取得に励む我々はいつもそうしたトレードオフの状況に追い込まれるわけですが、登壇者さんの提唱するようにCloudFormationを利用することで、細かい理解ができていなくとも、先ずはちゃんと動くリソースが一気にデプロイできてしまうので、できたリソースを動かしつつ理解を深めるというのは時短テクニックとして悪くないですね。
東京在住のふんわりAWSエンジニアが、地方で働く選択に迷い始めているらしい
- 登壇者:株式会社エーピーコミュニケーションズ さかぐちさん
- 会社について
- 独立系のSIerの中小企業
- 地方リモート勤務について
- 地方の人材確保や既存社員の離職抑制を目的に制定
- リモート勤務制度導入経緯
- 2021年1月にコロナをきっかけに地方リモート勤務の採用活動開始
- 同時に既存社員の地方リモート勤務移行は一定の基準を設けたかたちで対応開始
- リモートでの業務遂行可否が不透明だったため
- リモート業務が軌道に乗ったことに伴い2022年3月に申請基準が緩和
- 会社の現状
- 社員数400名中8割がリモート勤務
- 地方リモート勤務が1割程度
- 既存社員で地方リモート勤務へ変更したのが7名
- 地方勤務に変わった社員の声
- 良いと思うこと
- 理由如何に関わらず好きなところに住める
- 採用者の幅が広がる
- 良いと思うこと
- 悪いと思うこと
- 客先に向かうとき特定の人に負担がかかる
- 交流しない理由が増える
- 同じ会社にいながら交流がない状態が発生
- 登壇者の所感
- 東京在住の自分としては、普段家から出ないのに高い家賃を払うのは疑問に感じることも。。。
- 地方移住の問題としては、利便性、つながり、キャリアなど決定的なきっかけがない
感想
自分も昨年、東京から福岡に引っ越してフルリモートで勤務している身なので、とても身近なテーマのLTでした。東京一極集中の大きな原因のひとつに、地方には仕事が無い、というのがあると思います。自分も以前、地方で仕事を探して見つからなかったので、結局東京に行かざる得なかったという経験があるので、リモート勤務はそうした状況を解決するひとつの解になりますが、登壇者の方が挙げてらっしゃったデメリットがあるのも事実。都市部勤務者と地方勤務者の間で上手くバランスを取れる制度設計が大切だなと感じました。
元FEがAWSを触り始めた頃のお話
- 登壇者:フォージビジョン株式会社 マッツオさん
- FEとはField Engineerの略称で、客先でハードウェアの選定、設置、システム保守などが主な業務
- 現職でAWSを触り始めた頃は無料オンライントレーニング、資格取得などしかなかった
- 初めてEC2を触った感想は「専門的な知識は不要」ということ
- FE時代の物理機器設置の流れとAWSだとそれがどうなるか
- 実はEC2作成に基本がつまっている
- NW関連設定をすることで他のAWSサービスを使う時も役立つ
- DBを外出し、リソースの冗長化、オートスケーリング化、CDN化など使い方の幅を広げていくことでAWSのポテンシャルを最大限に引き出せる
- 最終段階では、サーバレス構成
- 将来的にはサーバーゼロ、すなわち概念設計のみで他はマネージドになるのではと予想している
- 働き方という面でもAWSをやっていることで九州移住を果たし、いろんな人に出会えた
感想
自分はIT業界に入った当初からクラウドにしか触れていないので、オンプレミス下でのFEとしての体験談は非常に興味深く勉強になるテーマでした。それを踏まえて「EC2作成に基本がつまっている」という松尾さんの言葉は中々深いものがあるなと感じるとともに、クラウドでは見えていないがゆえに理解がおろそかになっている部分をしっかりと理解することがクラウドの特性も真に理解することにつながるのだと考えます。
2300万オブジェクト同期してみた~千里の道も一歩から~
- 登壇者:JAWS-UG佐賀 uniさん
- 運用中のデータ移行は大変
- 業務でCloudFront + S3の構成のデータ移行を依頼され2300万オブジェクト、合計サイズ11TBのデータを金曜から月曜まで移行する羽目に!
- S3のprefixが4つあったため、インスタンスサイズc5.xlargeのEC2上でCLI実行し並列処理すれば終わると想定したところ、ひとつのprefix配下に2000万オブジェクトが集中して保存されており土日だけでは全く終わらなかった
- c5.24xlargeでシェル移行した結果、約10分で完了
- まとめ
- データ移行にはサイズだけでなく「どこに」「どのくらい」のデータがあるかを確認することが大切
感想
非常に実践的でそのまま業務に役立つ内容のLTで聞いてよかったです。座学でいくら知識を身につけても実務でこうした解決がスラッとできないと何の意味もないですよね。そうした意味で登壇者のuniさんは最初の方法で失敗しても、すぐにどうやったら解決できるか調査し、しっかりと期限内に期待結果を出すというのはとても素晴らしいですし、エンジニアとしても能力の高い方なんだろうなとLTを聞いて感心しました。自分も資格勉強だけでなくこうした解決ができるエンジニアになれるよう精進したいです。
まとめ
わたしが東京から福岡に引っ越してちょうど一年くらい経ちましたが、JAWS-UGでの関わりを通して地方のIT事情なんかが少しづつわかってきたなと感じます。自分が今まで知らなかっただけで、地方といえども優れたIT企業がたくさんあるなということを改めて感じました。一方でこうしたコミュニティ活動に参加する地方のエンジニアの方はまだまだ少数派という気もするので、もっと参加者が増えてクラウドに関する活発な情報交換が進めば良いなと感じます。