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Amazon WorkSpaces WSP(WorkSpaces Streaming Protocol)がGAされたので触ってみた

はじめに

みなさん、こんにちは。
クラウドインテグレーション事業部の北原です。

本記事はForgeVision Advent Calendar 18日目の記事です。

昨年2019年11月にAWSが独自開発したWorkSpacesの新しいプロトコルを利用した WSP(WorkSpaces Streaming Protocol)のベータ版が出てから結構経ちましたが、 先日12月1日にAWSからWSPの正式リリースが行われました。

正式リリース – Amazon WorkSpaces Streaming Protocol (WSP)

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WSP構成図

特徴

既存のプロトコルであるPCoIPとWSPについて記載します。

PCoIPとは(引用元:大塚商会)

「PC over IP」の略で、リモートデスクトップ環境で画面転送を行うためのプロトコルの1つ。サーバー上で動作する仮想デスクトップの画面イメージをクライアントに転送する。そのほかの画面転送プロトコルにCitrix Systemsの「HDX」、マイクロソフトの「RemoteFX」などがある。

PCoIPは、カナダのTeradiciが、3次元グラフィックスや医療分野でCADのレンダリング(画像)をリモート転送するために開発したプロトコルだ。当初は、ビデオカードの出力(DVI)をPCoIPプロトコルに変換する専用カードと、PCoIPプロトコルを受信する専用ターミナルのハードウェアで構成されていたが、2008年にVMwareがTeradiciとPCoIPソフトウェアを共同開発した。

WSPとは(引用元:AWS)

Amazon WorkSpaces Streaming Protocol(WSP)は、クラウドネイティブのストリーミングプロトコルであり、グローバルな距離や信頼性の低いネットワークを越えてエンドユーザーのWorkSpacesにアクセスするときに一貫したユーザーエクスペリエンスを実現します。WSPは、双方向ビデオ、マイク機能などの追加機能も有効にします。クラウドネイティブプロトコルとして、WSPは、WorkSpaceを手動で更新することなく、機能とパフォーマンスを強化します。

簡単に書くと旧来のプロトコルと比べると低遅延で利用できる為、 ネットワークに不安のある環境においても安定利用が可能で、 これまでWorkSpaces上では利用が出来なかった、マイクとカメラを 利用したWeb会議等にも利用出来る新しいプロトコルとなっています。

注意点

  • WSPを利用するWorkSpacesクライアントはWindows or MACクライアントのみ対応

  • WorkSpacesクライアントアプリが3系以上であること

  • WorkSpacesを既存のPCoIPで起動している人は利用していたWorkSpacesを移行しないとWSPで利用する事は出来ないので注意

  • 正式リリースであるもののWebカメラの部分はまだベータ扱いなので、カメラ利用を想定としたプロダクション利用はNG

ベータ利用上の注意点は以下の通りAWS公式に記載があるので注意下さい。

AWS利用条件

AWSはいつでもベータサービスやベータリージョンへのアクセスまたは利用を停止または終了させることができます。ベータサービスやベータリージョンの一般公開バージョンが発表された場合、またはベータサービスやベータリージョンが通知の上、AWSによって終了された場合、貴社のベータサービスやベータリージョンへのアクセスと利用は自動的に終了します。

WSP(WorkSpaces Streaming Protocol)を触ってみた

自分の環境で触ってみました。

前提条件:

  • WorkSpacesを起動する前に事前にディレクトリサービスを構築する為のパブリック向けのVPC、サブネット2つが存在すること、IGW向けにルーティングが切られていること
  • ディレクトリサービスは今回はAWS Managed MSADで構築
  • 今回はWindowsOSで実施
  • 注意事項にも記載した通り新しいクライアントをダウンロードする必要があるので、こちらのURLのリンクからダウンロードする必要があり WorkSpacesクライアント最新版

WorkSpaces起動画面からバンドルの選択画面で、 プロトコルを[WSP]に絞ってから無料利用枠である Standard with Windows 10(WSP)を選択して起動します。

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WSPバンドル選択

起動している間に事前に自分のOS用に3.X系のクライアントソフトを入れて下さい。

起動完了後、WorkSpacesの初期化&パスワード変更のメールが飛ぶので そちらを実行後、WorkSpacesにクライアントからログインしてください。

ログイン後、右上のアイコンからデバイスと言うものが新しく選択出来るようになっており、こちらでカメラデバイスを選択する事が出来ます。

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WorkSpacesデバイス選択

ご利用のPC環境に併せて、フロントカメラをWorkSpacesで利用する場合は、 こちらのプルダウンから[リモート WorkSpacesでデバイスを使用する]を選択します。

その後、今回はGoogleMeetで会議を実施してみました。 プリインストールされているFireFoxでGoogleMeetで会議を開始します。

Meet起動時にカメラの設定で共有するマイクからAmazon Inbound Audioを選択して許可します。

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WorkSpacesマイク許可画面

引き続き、カメラの設定に関しても、先ほど許可したフロントカメラを選択し、許可します。

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WorkSpacesカメラ許可画面

WorkSpaces上で無事ビデオと左下のスピーカーで音を拾っており、 WorkSpaces上でWeb会議を実現することが出来ました。

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WorkSpaces上でのビデオ会議成功!

無事に出来て私も満面の笑みです!

最後に

これからWorkSpacesを商用利用以外で触ってみようと言う方は 是非今回リリースされたWSP(WorkSpaces Streaming Protocol)を 使ってみるのはおススメします。

WorkSpacesをまだあまり触った事が無い方は 私が運営メンバーとして参画しているAWSコミュニティユーザグループ であるJAWS-UG千葉支部で発表した説明資料とハンズオン資料を参考に 触ってみてください。

興味持って頂けたら是非、JAWS-UG千葉勉強会も参加いただけると嬉しいです!

www2.slideshare.net

www2.slideshare.net

JAWS-UG千葉支部サイト jawsug-chiba.connpass.com

以上、最後までお読みいただきありがとうございました!