こんにちは、AWSチームの大澤です。
今回は、4/25 (火)に行われた、Media-JAWS 第12回 に参加してきましたので、
そちらのレポートをしたいと思います。
イベント概要
日時:2023年4月25日(火)19:00~22:00
場所:〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町40番1号 Abema Towers 10F セミナールームB
登壇概要
- ABEMA の紹介
- FIFA ワールドカップ生中継でのAWS Media Servicesの活用について
- AIを活用した放送技術スタートアップの制作現場改革について
Media-JAWS 【第12回】渋谷開催! #jawsug #mediajaws - Media-JAWS | Doorkeeper より引用
Speaker
- 山中 勇成さん (株式会社AbemaTV)
- 小南 英司さん (アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社)
- 占部 竣平さん (NAXA株式会社)
レポート
オープニング
- 運営の三浦さんからJAWS-UGについての説明
- Media-JAWSの説明
- AWS沼口さんから一言
- Media-JAWSは出席率が高い!
FIFA ワールドカップ生中継でのAWS Media Servicesの活用について
NAB Show 2023行ってきました
- ラスベガスで開催された
- 現地での気づき
- ホテルの鍵が使えなくなり、再々発行したら使えた
- 英語はパッションでなんとかなる
- Uber/Lyftが良い
- アメリカの料理は2人前だと思った方が良い
- クレジットカードはいくつかのブランドを持っていくのが良い (JCBは使えない)
- 現地での気づき
すでに色々なところで発表している
- Abema Developer Conference 2023
- トラック別14セッション
- AWS Summit Tokyo 2023でも発表
- FIFAW杯生放送の裏話にタイトル変更。。。
配信アーキテクチャの概要
- オンプレの機材(エンコーダー)からZixiプロトコルでMediaConnectに接続
- CDNはAkamaiに加えてAWS CloudFrontを加えてマルチCDN構成に
- 冗長化というより、帯域幅を確保する側面が強い
- エンコーディングパラメータ
- フレームレート・レートコントロール・ハイライトの設定をテンプレートしたのもの
- Defender
- Midfielder
- Striker
発表から終了まで
- プレスを打ったがほとんどの社員が知らなかった
- 以後いろんな準備が必要を進めていった
- FIFAに向けて、AWS Elemental MediaServiceを使う方針で配信システムを設計
- 初戦の監視
- リモート+オフライン(重要な試合の時)の体制
- AWS IEMも利用した
- リモート+オフライン(重要な試合の時)の体制
実は。。。こんなことが。。。裏話 7選
1.MediaLiveが一時的にダウン
- マルチリージョンで利用 (東京とソウル)
- 東京で数分間ダウンした。原因は不明
- CTOがメインアングルのリージョン冗長化を指示していたので、ソウルリージョンで配信を継続することができた
2.MediaLiveのバグを踏む
- MediaLiveで[Avail Blanking]の画像が1フレ本編に出てしまう
- 背景に画像を挿入する機能
- フレームレート59.94pでSCTE-35を用いる条件で発生してしまった
3.計測系ツールがダウン
- 日本戦では、キャパシティプランニングはしているものの、自社製のモニタリングシステムが不安定になった
- サードパーティーのアプリの計測ツールやQoEの計測ツールも不安定になった
- 試合中にシステムを修復
4.突然の海外からのDDoS?
- 試合中のあるタイミングから海外の各種地域からリクエストが急増
- ワールドカップは日本国内のみの配信のため海外からのアクセスと推測
- CDNのキャッシュミスも多発
5.全国ネットのNHK,ネット局がない民放
- 基本的に日本戦は地上波でも放送されている
- 一部の民放はネット局がないので当該地方のユーザはABEMAでワールドカップを視聴することになった
- 地方のISPではトラフィックが輻輳し、エラーレートが増加した
- W杯期間中に対応することが難しかったが、今後に向けては対策が必要
6.キャッシュミスが増える
- 試合中に404エラーが増加し、一部のデバイスのエラーレートが上がる事象が発生
- 調査により、将来生成されるセグメントに対して事前アクセスが来ていることを確認
- ffmpegがMPEG-DASHのマニフェストに記述されていない
- 次のセグメントに対してリクエストして、他のユーザが影響を受けていた
- 調査により、将来生成されるセグメントに対して事前アクセスが来ていることを確認
7.プレーヤー置き換え
- 初戦では、THEO Playerを利用していたが、ABEMAで利用しているバージョンでは、DRMライセンスのキャッシュ処理に問題があった
- 2日でプレイヤーをdash.jsに置き換え
番外編: ABEMAくんがソースコードに
- 負荷対策のためアクセス制限をした際に、webページのHTMLソースにABEMAくんが現れた
- 実はサービス開始当初からこのようにソースが実装されていた
AWS Mediaサービスアップデート
NAB Show 2023 速報
別途、スライドにてまとめて公開されております。
AIを活用した放送技術スタートアップの制作現場改革について
別途、スライドにてまとめて公開されております。
所感
- 個人的に、メディアとクラウドの関係性について興味があった部分でしたが、数年の間にクラウド化の波に技術的なチャレンジに取り組まれながら進化していることがよく分かるセッションでした。
- 番組制作時に使われている字幕についても、番組内のテロップと重複させずに音声認識を活用した自動生成させる取り組みが、制作会社様の専門の担当者に依存してしまっていた部分を解消するために活用できるということが画期的であると感じました。
- 毎回、インプット量が非常に多いと感じるMedia-JAWSですが、参加していて楽しいJAWS-UGの支部の1つだと思います。