こんにちは、元 AD の尾谷です。
2021年3月20日に開催された JAWS DAYS 2021 の幕間ムービーとジングルを作成させていただきましたので、制作エピソードと得られた経験などを書させていただきます。
編集経歴書
まず、編集歴と利用機材について記載します。
私ごとですが、大学在学中から約 20 年間、結婚式やコンサートの撮影をメインに、キックオフのムービーや変わったところだとマッサージ店の店頭ムービーなどの動画編集を趣味で携わらせていただいてきました。
VHS の作品からずっとラベルに番号をつけてきたのですが、先月、先輩の娘さんが通う保育園の卒園式ムービーをさせていただいたのが丁度 50 作品目でした。
大きい案件だと半年がかりで制作したり、細かいものだと 1 日、2日でテンプレ特急仕上げで納品したり、と毎年 1 〜 5 本ほど映像作品を作ってきました。
撮影・収録に関してはロケもやりますし、スタジオを借りて収録するケースもあります。
ただオンライン配信はあまり経験がなかったので、今回は貴重な機会となりました。
ノンリニア編集に使用しているソフトウェア
学生時代に Adobe Digital Video Collection を購入してから、Premiere は 6.0 あたりから、EDIUS 4、VegasPro 13 などを使って編集してきました。
Amazon.co.jp -> Adobe Digital Video Collection 日本語版 Windows版
https://www.amazon.co.jp/Adobe-Digital-Video-Collection-Windows%E7%89%88/dp/B00006SFPP
実際の映像に関しては、ほとんど After Effects で作っていまして、バージョン 5.5 あたりから最新のバージョンまで 20 年以上利用しています。
JAWS DAYS 2021 ジングル・ムービー
JAWS DAY 2021 のジングルムービーは完全にテンプレを使って作成しました。
ちょっと言い訳になるのですが、ジングルに取り掛かったのは 2 月の中旬あたりで、めちゃくちゃ忙しかったです。
日々の業務が終わった後に、実行委員の YouTube 動画を編集して、登壇者や個人サポーターの写真をサメ加工して、oVice の背景を作って...と毎日 4 時間ぐらいしか眠れない日々が土日も含めて 2 週間以上続いていたため、一から作っていく余裕がありませんでした。
年始に以下のような絵コンテを何回か書いていたのですが、スキャナーで読み込んで、色塗ってアニメーションさせてという構想は全く時間が足りずにお蔵入りになってしまいました。
利用したテンプレは、(購入するまで気づかなかったのですが) 広域な 3D 空間を After Effects の標準機能だけを使ってレンダリングするため、 MacBook Pro では動画の書き出し (プリレンダリング) だけで 20 時間程度かかる超激重テンプレートでした。
MacBook Pro (13-inch, 2020, Thunderbolt 3ポート)
プロセッサ 2.3Ghz クアッドコア Intel Core i7
メモリ 32GB 3733MHz LPDDR4X
グラフィックス Intel Iris Plus Graphics 1536 MB
設定箇所はテキスト部分と、以下のようなベクターデーターを入れるだけ。というシンプルな形ですが、
画面外の 3D 空間もご丁寧にレンダリングする仕様となっており、Full 画質でプレビューすると 1 フレームをプレビューするだけで 45 秒程度かかりました。
本来は、以下のような AWS っぽいオレンジを貴重にした色合いに変更したかったのに、全てをチェックして確認する時間が取れなかったため無難にデフォルトのフォーマットにてムービー出力するという選択をしました。
JAWS DAYS 2021 幕間ムービー
続いて、幕間ムービーのご紹介です。
セッションとセッションの間に流れる幕間ムービーもこれまでの作品同様 After Effects で制作して、最終的に Premiere Pro で結合して仕上げました。
イントロ部分
最初のイントロ部分は、YouTube の運営動画に利用したムービーを継ぎ足して繋いでいます。 各ムービーのエンドロールで、これまでのイベントで撮影された写真を元にしたムービーを流していまして、そちらを有効活用しています。
また、スピード感を出すためフェラーリフォントを使わせていただきました。
みなさんの動画
続いてみなさんの動画ですが、背景は JAWS DAYS 2021 のプレスリリースで使用された富士山の画像を利用しました。一番左側のピクセルを Photoshop で引き伸ばして背景に割り当てています。
https://note.com/jawsdays2021/m/m4014d035f05bnote.com
みなさんの動画はそれぞれの長さや色合いやアスペクト比が違ったので、それぞれをコンポジションに登録し、オリジナルの味を残しながら動きのあるムービー加工に努めました。
工夫した点
例えば、浜松支部の松井さん (中央) は何かが降ってくるムービーを撮影された (実際には何も持っていない) ので JAWS DAYS 2021 のロゴを回転させて持っていただいたり、
金沢支部の松田さん (右側) の冬山は雲ひとつない快晴だったので、フレームアウトするときに空にチルトアップさせた効果をつけたり、
大阪支部の山田さん (中央) はお子さんが一番高く上がったところで 3 フレームぐらい引き伸ばしたりと工夫をしました。
サメのトランジション
サメが下から上に登っていくトランジションは、予め年末年始の休みに作っていました。
僕が初めて参加した、特に思い入れのある JAWS FESTA 2018 OSAKA のパンフレットにサメが描いてあって、こちらをヒントにしました。
サメのドット絵は Illustrator で 1 ドットずつ当てていき、波はシェイプレイヤーではなく Photoshop を使ってフリーハンドで描いていきました。
テロップはエクスプレッションを使って自動生成
最終的に YouTube に公開されるため、テロップの誤りは後世に残す汚点となります。とはいえ、57 名もの演者様のお名前を一言一句間違えずに打ち込む自身がありませんでした。
ファイル名に一定の規則があることに着目し、
ファイル名の例 01_JD2021_尾谷紘平_KoheiOtani.MP4 02_JD2021_山口正徳_MasanoriYamaguchi.MP4 54_Security-JAWS_吉江瞬_YoshieShun.MOV
テキストのソースにエクスプレッションをかけて、Alphabet_name
にアルファベットの氏名、Role
に所属支部名が表示されるようにそれぞれ設定しました。
Alphabet_name に設定したエクスプレッション first = thisComp.name.indexOf('_'); second = thisComp.name.indexOf('_', first + 1); third = thisComp.name.indexOf('_', second + 1); thisComp.name.slice(third + 1, thisComp.name.length);
Role に設定したエクスプレッション first = thisComp.name.indexOf('_'); second = thisComp.name.indexOf('_', first + 1); third = thisComp.name.indexOf('_', second + 1); thisComp.name.slice(first + 1, second);
サメが泳ぐシーン
サメが泳いでいく部分は、背景に 以下 Youtube で公開されていたフリー素材を利用させていただきました。
こちらの動画を以下のようにレベルで調整し、カートゥーンと反転のエフェクトをかけました。
サメが泳いでいく動きは以下のようなパペットピンで歪ませて表現しています。
(雑な解説ですいません。。)
最後のシーンも本当にすいません、テンプレートです。 こちらはあと 1 週間あれば自分でも再現できたと思いますが、安かったので買ってしまいました。
Premiere Pro で結合
グリッチのトランディションは Premiere Pro で各シーンを結合するときに挿入しています。
シェアウェアですが、(すいません) 無料で使わせていただいております。
BGM は SONY Veag Pro 13 Suite にバンドルされていた An Additional 100 BlastWave FX Sound Effects からチョイスしました。 今回は YouTube 以外でも配信するため YouTube ライセンスの BGM が使えない形でした。そのため過去に個人で購入したものを使用しました。
まとめ
以上、言葉足らずな解説となり大変恐縮ですが制作エピソードでした。
冒頭でも記載しましたが、JAWS DAYS という大きなイベントの動画制作に携わることができて大変光栄でした。
大学 3 回生のときにノンリニア編集に目覚めて、趣味としてコツコツやってきてよかったと心から思いました。
ありがとうございました。